menu

トップページ原爆の絵火に追われ川へ落ちる人々。焼け落ちる家。

原爆の絵

識別コード SG-0243
絵の内容 火に追われ川へ落ちる人々。焼け落ちる家。
作者名(カナ) 藤重 忠子(フジシゲ タダコ)
作者名(英語) Tadako Fujishige
当時の年齢 20歳
寄贈者名 藤重 忠子
種別 新市民が描いた原爆の絵(その他)
情景日時 1945/8/6
情景場所 天満川の土堤
情景場所旧町名
情景場所現町名
爆心地からの距離
ブロック別 十日市・中広地区
作者による説明 **絵の中
ドサッと倒れる家。
火・火・火に追われた黒い影の人達は、土堤から川へころげ、落ちる、流れる。
映画ではない現実だ!!
**裏
8月6日 広瀨橋を渡って天満川の土堤
**実態調査
向西館の土堤に友人をおろし、肥小屋へ入れた。黒い雨が降ってきて寒くてガチガチ歯が鳴る。対岸の地獄図・火炎は次々、眞赤に燒けつくす。倒れる火の家に巻きこまれ右往左往する人影。土堤から転げ落ちる。川の中に人影は浮いたり沈んだり茫然と無感覚の状態で、眺めるのみ。
第2次挺身隊として警戒警報発令中、勤務先の西電話局に急いだ。間もなく空襲警報発令。窓々のシャッターをおろす。敵機らしく、向宇品の髙射砲の炸裂音が暫く続く。やがて空襲警報解除。呉方面へ退散の報。ホッとして50糎ばかりシャッターを上げ風を入れる。統計用紙に数字を書込んでいたが用紙1枚不足に気付き、背後の戸棚に向かって立上った。左に身を廻した瞬間、青白い閃光とブァッッ!という異様な音と同時に外れ飛んだシャッターの下敷となる。首が動いた生きている!渾身の力で重いシャッターから抜け出し、立上った。窓という窓は吹きとび、部屋の壁は何もない。足の下にすぐアスファルト道路が見える。三階から見渡す市中は火の海。八丁堀周辺の銀行・保険会社・福屋の各階の窓という窓から炎が噴き出ている。原爆ドームには手が届きそうだ。
ここまで書きましたが到底この紙面では足りませず、20年前に書道講習会があった時、求められて提出した手記がありましたので同封させて頂きます。描きました絵は強烈に腦裡に残っていたものを、生まれて始めて(古い画用紙が偶々見つかり)被爆60年の夏の或日、年令も年令だし孫に何か残しておきたいな、とふと思ったのです。思うことが思うように絵にならず、一気に描いてみて、あの時の一こま一場面を思い出し、涙となり、もう次を描く気になれずやめました。友人が見て、NHKで募集していたので是非にとすすめられ、恥づかしいから嫌だと随分ためらい乍ら、漸くの思いで持参いたしたものです。手記の順序にNoを入れました。
サイズ(cm) 23.6×33.1
展示の説明文 映画ではない 現実だ!!

天満川の土堤

1945年(昭和20年)8月6日
藤重 忠子 (原爆投下時20歳、絵を描いた時80歳)

【作者のことばから】
映画ではない。現実だ!!
土堤から川へころげ、黒い影の人たちは火・火・火に追われた。ドサッと倒れる家。

戻る

Page Top