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トップページ原爆の絵2歳くらいの子どもとその母親らしい女性の死体。母は手を前に伸ばし子どもに近づこうとしていた。

原爆の絵

識別コード NG394
絵の内容 2歳くらいの子どもとその母親らしい女性の死体。母は手を前に伸ばし子どもに近づこうとしていた。
作者名(カナ) 香口 真作(コウグチ シンサク)
作者名(英語) Shinsaku Koguchi
当時の年齢 25歳
寄贈者名
種別 市民が描いた原爆の絵(平成14年収集)
情景日時 1945/8/7(時刻)9:30頃
情景場所 白神社
情景場所旧町名 小町
情景場所現町名 中町
爆心地からの距離 490m
ブロック別 紙屋町・本通地区
作者による説明 **裏
S.Koguchi
香口真作
**別紙
母と子の死  香口真作
原爆投下のあくる日、昭和二十年八月七日午前九時三十分頃、白神社の横、二才ぐらいの子供が、電車道に沿ったアスファルトの道に投げ出されて死んでいる。うつ伏せのまま、両手を開き、顔はアスファルトにくっつき、衣服は焼けて無い。
その子の母に違いない人が、子供の方に両手を伸ばし、全裸でこと切れており――二人共、うつぶせの状態で、恐らく投下時の強烈な熱に子供を背負ったままで焼かれ、爆風に吹き飛ばされ、衣服は裂け、又、子供を抱き上げ背負って走り、ここまで来て、力尽きたのであろう――女は其の時、目が見えたであろうか?母の倒れたはずみで子供は前に投げ出され、母は手を力いっぱい前に伸ばし、少しでも子供に近付こうともがいた様子が良く解る。
私は、子供の死様を見、母の死を見る。苦痛の声を放つ――死にたくなかったであろう。二人が語る死に、私の思考力は止る。只、呆然と死体を見つめる――
「必ずこの恨みは晴らすから――かたきは取るから――ゆるしてくれ――」
誰に言うともなく、人間の罪を詫びた。この苦痛の一端を背負わねばこの場を去ることが出来ない――
私は、よろよろと歩く。
原爆死の人を数多く見たが、この親子程、私に強烈な衝撃を与えたものはなく、私の心のかせになっている。
香口真作
サイズ(cm) 45.5×53
展示の説明文

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