識別コード | GE18-30 |
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絵の内容 | 倒壊した建物内のようす |
作者名(カナ) | 土井 貞子(ドイ サダコ) |
作者名(英語) | DOI Sadako |
当時の年齢 | 21歳 |
寄贈者名 | |
種別 | 市民が描いた原爆の絵(昭和49、50年収集) |
情景日時 | 1945/8/6(時刻)9:00頃 |
情景場所 | 福屋百貨店2階 |
情景場所旧町名 | 胡町 |
情景場所現町名 | 胡町 |
爆心地からの距離 | 710m |
ブロック別 | 紙屋町・本通地区 |
作者による説明 | **裏 土井貞子 **別紙 S.20.8.6. (現在 福屋百貨店2階)午前9時頃、意識を失っていたため、時間が、不明ですが、コンクリートが滝のように流れ落ち、部屋の1隅に事務机が異様な積み重なりかたで、そびえるように天井へつかえる程、そこへ外部のビル(現 セントラル)の地下の消防署から火柱となって燃えている光が入ってきて眞黒の中へ一条の線となり、自分一人生きのこったのでは、と慓然とした時です。 土井貞子 **実態調査 鉄筋コンクリートだったので建物は倒れなかったがガラス建具等すべて爆風に飛び人間も一緒に吹き飛ばされたのです。どれ位記憶を失っていたか判りませんが気が付いた時はこの状態だったのです。 整然と並んでいた事務机が壁の一角に高くつみ上げられた状態で床には死体が溢れ、闇の中での恐怖感、人間の力ではない、こわさがビンビンと迫ってきました。この恐怖感は今でも目を閉じると浮んできます。 1条の光は私にも判らない光でした。瞬間のこの光に救われたのかも知れません。 うめき声と「お母さあーん」と呼ぶ弱々しい声。 やっと立上った私にすがる様にして立上った二人の友と無我夢中で脱出したのです。 体に流れる血のりの気はいを感じながら歩き始めたのです。 |
サイズ(cm) | 59.5×42 |
展示の説明文 | 暗やみの中のうめき声 絵・文/土井貞子氏 1945(昭和20)年8月6日 爆心地から約710m 胡町 「やがてきなくさい土ほこりの臭いと一緒に、頭の上に落ちてくる砂や小石にハッと気がついた。真っ暗である。何も見えない真のやみだ。かすかに人のうめく声。『おかあさん』という声。首から肌の中へ流れこむ生温かいものに、どこかけがをしていると思い、手をやるとヌラリとした。この生温かいものはその手をつたわっていくらでも流れてくる。」 手記「山中の一夜」(「原爆体験記」広島市民生局社会教育課編)より抜粋 |