menu

トップページ原爆の絵家の下敷になったところを通りがかった町内の人が助けてくれた

原爆の絵

識別コード GE02-36
絵の内容 家の下敷になったところを通りがかった町内の人が助けてくれた
作者名(カナ) 益本 ユキミ(エキモト ユキミ)
作者名(英語) EKIMOTO Yukimi
当時の年齢 27歳
寄贈者名
種別 市民が描いた原爆の絵(昭和49、50年収集)
情景日時 1945/8/6
情景場所 天満川
情景場所旧町名
情景場所現町名
爆心地からの距離
ブロック別
作者による説明 **絵の中
昭和二十年八月六日 午前八時十五分
警戒警報も解除になり生月の体の私は胴巻もはづして二人して朝食をすませ主人は玄関に向い私は貝がらをすてに天満川に行こうとして小路を出る寸前ピカッと光った。前に出ていた足が熱かった。その光りの中に男の人の姿が見えた。同時に家の下じきになっていた。上向に倒れたまゝ助けを待っていました。何が起ったのか見当もつかないのです。しばらくして、「宮脇はこゝじや助けてくれ」と隣りの奥さんの声が聞こえてくる
このまゝ誰にも会わないで死にたくないと必死の思いでもがきながらどうにか明りが見えるようになった時、通りがかりの町内の人が「かわいそうに大きな腹をして」と云って手を引っぱり、出して下さった。頭の上に灰が降りあちこちと火の手が上って煙の中を逃げてゆく人の姿がまばらにみえる
どうにか橋のふもとまでたどりついた時私一人置いて、行く人ではない思い通る人毎に「私の主人をみませんでしたか」と聞いてみたけれど、皆だまって通り過ぎて行きました
火の手が回ってにげるすべもなく無意識に川の中に下りていました
石垣のそばの車にこもをかけその中に二三人の男の人が入って熱さをしのんでいました。私も中に入れて貰いました。
一人は生きているのか死んでいるのか身動き一つしない。男の子は顔にけがをしているのに泣き声一つ立てないでいる。若い人が時々こもに水をかけてくれたけれどすぐに乾いてしまう。だんゝ息くるしくなってこもの中に居られなくなった。元気な人は水の中に入って首だけ出している
こゝまできたけれどもうおわりかと思った。緑の草や木のある場所に行きたい
樂に呼吸ができたら、とただそれだけを祈った
パチゝとはぢける音と共に火がとんでくる
火の渦の中にどのくらい時が過ぎたのか・・・・・・
大粒の雨がたゝきつけるように降ってきた。
**裏
益本ユキミ
サイズ(cm) 38×54
展示の説明文

戻る

Page Top