識別コード | 3108-0057 |
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資料名 | 被爆時に身に着けていたバックル |
資料名(英語) | Belt Buckle Worn at the Time of the Atomic Bombing |
寄贈者(カナ) | 篠田 四郎(シノダ シロウ) |
寄贈者(英語) | SHINODA Shiro |
受入年月日 | 2015/07/06 |
寸法(幅×高さ×奥行)(mm) | 69×32 |
寸法(その他) | |
被爆地(旧町名) | 皆実町 |
被爆地(現町名) | |
爆心地からの距離(m) | |
数量 | 1 |
内容 | 山陽中学校3年生だった篠田四郎さん(当時15歳)は、学徒動員先の宮本航機工場で被爆した。その日は暑く、上半身は裸だった。朝礼を受け、ボール盤に向かった瞬間、左のガラス窓の外が光り、大きな爆発音と共に真っ暗になった。暫くすると、明かりが戻ってきて、あちこちから助けを求める声がした。四郎さんも必死で明かりがさす方向へ向かい、倒れた柱を踏み分けて外へ出ると、道路は右も左も血まみれの人、人だった。向き合って仕事をしていた工員の古川さんが立っていて、頭に穴が開き、血まみれだった。その時はじめて四郎さんも、自分が血まみれなことに気づいた。四郎さんの首と胸にはガラスが刺さっており、ボール盤の鉄のハンドルを持っていた右の手のひらは、裂けていた。 四郎さんの傷を見た人が大きな声で「比治山へ行け!」と叫んでいたので、四郎さんは比治山へ向かった。比治山の下の救護所では、兵隊が負傷者の治療をしており、長時間並んで順番を待ったが、傷が浅いと治療してもらえなかった。それから、一緒に逃げていた同級生の武田さんが陸軍共済病院へ行こうというので、宇品へ向かった。共済病院の玄関は放置された死体だらけで、治療を受ける気持ちになれず、その後、千田町の広島赤十字病院に移動したが、そこでも治療は受けられなかった。 東千田町にあった自宅もなくなっており、宇品の武田さんの家でシャツをもらい、その夜は埋め立て中だった出島で、四郎さんは一人過ごした。まわりにあったたくさんの防空壕では、死体は山のように何十か所も積まれ、焼かれていた。 翌日の朝、暁部隊に勤めていた姉の喜代子さんに会いに行こうと歩いていると、ちょうどめがね橋の向こうからこっちに向かってくる喜代子さんに再会した。四郎さんは、思わず走って喜代子さんに抱きついた。その後、四郎さんは仁保に避難していた父・母・兄とも再会することができた。 このベルトのバックルは、四郎さんが被爆時に身に着けていたもの。山陽中学校の鼓笛隊だった兄のお下がり。バックルの裏は血でかたまり、ベルトがはずれなかったという。 |
ブロック別 | 皆実・宇品地区 |
展示説明文 | 被爆時に身に着けていたバックル 寄贈/篠田四郎氏 爆心地から約2100m 皆実町一丁目 山陽中学校3年生の篠田四郎さん(当時15歳)は、学徒動員先の工場で被爆。作業を始めようと、ボール盤に向かった瞬間、ガラス窓の外が光り、大きな爆発音と共に真っ暗になりました。暫くすると明かりが戻り、四郎さんも必死で倒れた柱を踏み分けて外へ出ました。周りの建物は全てなくなっており、道路は右も左も血まみれの人、人でした。四郎さん自身も血まみれで、首と胸にガラスが刺さり、ボール盤の鉄のハンドルを持っていた右の手のひらは裂けていました。どこの病院でも治療は受けられないまま、その夜、四郎さんは一人で過ごしました。まわりにあったたくさんの防空壕では、死体が山のように積まれ、焼かれていました。翌朝、姉の喜代子さんのところへ行こうと歩いていると、ちょうど喜代子さんがこちらへ向かってくるところでした。四郎さんは、思わず走って姉に抱きつきました。 |
展示説明文(英語) | Belt Buckle Worn at the Time of the Atomic Bombing Donated by Shiro Shinoda Approx. 2,100m from the hypocenter Minami-machi Mr. Shiro Shinoda (then, 15), a third-year student of Sanyo Junior High School at the time, was exposed to the A-bombing while at a factory where he was engaged in the labor services. The moment he turned to face a drilling machine to begin his work, a flash streaked outside the windows. With a huge explosion, it became completely dark. After a while, it became bright again, and Shiro desperately stepped over fallen pillars and made his way outdoors, where he found no buildings around him. Every street was filled with bloody people. He was also covered with blood, with glass shards impaled in his neck and chest. The palm of his right hand, with which he had been holding the iron handle of the drilling machine, was torn. Not being able to receive treatment at any hospital, he spent that night alone. At many air-raid shelters around him, piles of bodies were cremated. The following morning, when he was walking to find his elder sister Kiyoko, he happened to see her coming toward him. He ran and hugged her. |
資料性質 | 被爆資料 |