| 識別コード | 1209-0125 |
|---|---|
| 資料名 | 飾り壺 |
| 資料名（英語） | A decorative vase |
| 寄贈者（カナ） | |
| 寄贈者（英語） | |
| 受入年月日 | 2018/7/9 |
| 寸法（幅×高さ×奥行）（mm） | |
| 寸法（その他） | 210φ×247 |
| 被爆地（旧町名） | 土手町 |
| 被爆地（現町名） | 稲荷町 |
| 爆心地からの距離（m） | 1600 |
| 数量 | 1 |
| 内容 | 寄贈者は当時5歳。父は勤務先の江田島の兵学校にいて、母と姉妹と4人で土手町の自宅にいた。 2階の部屋の窓から飛行機が飛んでいるのが見えたが、翼についているはずの日の丸がなく「お母さん、日の丸がついてないよー！」と言ったのを覚えている。 原爆の投下により自宅は倒壊。母と3人の子どもたちは家の下敷きになった。母は自力で脱出し、近所の人たちに助けを求めて、必死に子どもたち2人を助けた。しかし、一番下の子どもは助けられないまま火が回ってきてどうすることもできず、やむなく自宅を離れた。 助けた子どもたちもガラス片や木材で頭部にひどい傷を負うなどしていたが、比治山から宇品港、そして似島へと懸命に逃れた。裸足の足に焼け付くアスファルトがとてつもなく熱かった。 8月10日、3人は似島の収容所で家族を捜しにきた父と再会することができた。その腕には自宅で亡くなった子どもの遺骨と、焼け跡から収集したこの壺が抱かれていた。 いつも自宅の2階の床の間に飾ってあったこの壺は、何もかも焼けてしまった自宅跡で、唯一きれいに形を残していたものだった。同じ部屋で被爆した寄贈者が今日まで大切に保管してきた。 |
| ブロック別 | 比治山・仁保地区 |
| 展示説明文 | 飾り壺 寄贈／匿名 爆心地から約1600ｍ 土手町 (現在の稲荷町) 寄贈者(5歳)は､倒壊した自宅の下敷になった｡母や姉とどうにか抜け出したが､3歳の妹は見つからず､迫る火になす術はなくそのまま逃げるしかなかった｡ 家は焼き尽くされ､4日後､家族を捜して避難先へやってきた父の腕には､妹の遺骨と､奇跡的に無事だったこの壺が抱えられていた｡ 寄贈者のお話から 「私も姉もひどいケガを負っていました｡裸足の足の裏に､焼けたアスファルトがものすごく熱かったことは今でも忘れません｡頭の切り傷にはなかなか毛が生えず､子ども心にとても辛いものでした｡ 被爆前､いつも床の間に飾ってあったこの壺は､あの日私と同じ部屋で被爆し､今日まで大切にしてきました｡」 |
| 展示説明文（英語） | A decorative vase Anonymous donation 1,600 m from the hypocenter Dote-cho (now, Inari-machi) The donor (then, 5) was pinned under the debris of her family’s destroyed house. She managed to get out of the debris together with her mother and older sister, but her younger sister, aged three, remained missing. However, they had no choice but to escape from the site with the fire approaching. Their house burned to nothing. Four days after the bombing, her father came to their evacuation site in search of his family members. In his arms were her younger sister’s ashes and this vase, which had miraculously survived the fire. Excerpt from a talk of the donor “Both my older sister and I had sustained serious injuries. I still can’t forget how the burned asphalt felt extremely hot on the soles of my bare feet. Because it took a long time for the hair to grow around a cut on my head, I felt very embarrassed as a child. I have valued this vase which had always been displayed in the alcove before the atomic bombing. It experienced the bombing in the same room where I was on that day.” |
| 資料性質 | 被爆資料 |