menu

トップページ原爆の絵胸に穴があいた馬。死んだ母と子。馬にまたがったまま倒れて死んだ兵隊と軍夫。防火水槽に手をかけた黒焦げの死体

原爆の絵

識別コード SG-0531
絵の内容 胸に穴があいた馬。死んだ母と子。馬にまたがったまま倒れて死んだ兵隊と軍夫。防火水槽に手をかけた黒焦げの死体
作者名(カナ) 渡慶次 恒徳(トケシ コウトク)
作者名(英語) Koutoku Tokeshi
当時の年齢 29歳
寄贈者名 竹中 茂子
種別 新市民が描いた原爆の絵(その他)
情景日時 1945/8/8~9
情景場所 西練兵場近くの川の堤防の上、逓信病院跡、横川
情景場所旧町名
情景場所現町名
爆心地からの距離
ブロック別
作者による説明 **絵中
思い出、5
A 馬が胸に穴があき息を吐くたびに血が吹き出る。人を見たら寄ってきてついて歩く。助けてほしいんやろ。
B 子供のへそから腸が飛び出ている。子供を助けたいためにここまで必死に来たのでしょう。目指す病院は消えてなく、力つきて親子とも死んでいる。
C 馬車にまたがった上官は片足が馬の下敷になったままで降りる事ができない。馬の腹にガスがたまって股ざきの刑にあっているような状態。

**書籍
兵隊が馬に乗ったまま倒れ、軍夫は馬のたづなを握ったまま人馬もろとも死んでいた。彼らに、これといった外傷がないのも不思議でならない。
子供に添い寝するように死んでいた母親。
翌日の昼の休憩時間にも、恒徳は残骸の中を歩き回った。ひょっとしたら、知り合いに出会えるかもしれないと思いながら、広島市の北寄りの地域を歩いた。白島町の逓信病院は瓦礫の山と化していた。病院跡に母子が昼寝をするように横たわっていた。へその穴から腸が飛び出て死んでいる子供に添い寝するように、母親が全裸で死んでいた。母親はほとんど外傷はなく、首と足に軽いやけどを負っているだけだった。瀕死の子供を治療してもらおうと、母親は子供を抱いて病院までたどり着いた。ところが、病院は跡形もなく吹き飛んでいた。落胆した母親は子供を地面に寝かせ、自らの体で強烈な夏の日差しから遮ろうとでもしたのだろうか、ちょうど子供の耳元で子守唄を歌っているような姿勢で死んでいた。
西練兵場近くの川の堤防の上で、胸に大きな穴が開いた馬が行ったり来たりしていた。馬が息をするたび胸の穴から血が噴き出した。人間に面倒をみてもらいたいのだろう、人の後ろをついて回っていた。哀れな光景だった。
宇多滋樹『豚の神さまー渡慶次恒徳の半生』(宇多出版企画 1999年、pp.107,110-111)
サイズ(cm) 123×180.5
展示の説明文

戻る

Page Top